「このシステム、設計書はありますか?」
そう聞かれて、
「昔はあったと思うけど……」
「何度も改修しているうちに、今のシステムとは違っているし……」
「担当者が退職してしまって分からない」
そんな経験はありませんか?
実は、設計書が十分に残っていないシステムは珍しくありません。
特に10年、20年と使い続けているレガシーシステムでは、多くの企業が同じような悩みを抱えています。
だからといって、すぐにシステムを作り直す必要があるわけではありません。
今回は、設計書がないシステムの対策をご紹介します。
📚設計書がなくなるのは珍しいことではない
システムは一度作ったら終わりではありません。
運用を続ける中で、
- 法改正への対応
- 業務変更
- 機能追加
- 不具合修正
など、少しずつ改修を重ねていきます。
そのたびに設計書を更新できれば理想ですが、現実には難しい場面もあります。
その結果、「設計書はあるけれど内容が古い」あるいは「設計書そのものが見当たらない」
という状態になることは決して珍しくありません。
📚設計書がないと困ること
普段の業務では問題なく動いていても、改修や保守の場面ではさまざまな影響があります。
例えば、
- 変更に時間がかかる
- 影響範囲を調べるのに時間が必要
- 新しい担当者への引き継ぎが難しい
- 障害対応に時間がかかる
- 改修コストが高くなる
システムそのものよりも、「理解する時間」が増えてしまうことが大きな課題です。
📖今からでもできる5つの対策
① まずは現状を整理する
最初から完璧な設計書を作る必要はありません。
まずは、
- システム全体の構成
- 利用しているサーバー
- データベース
- 他システムとの連携
など、大まかな全体像を整理するだけでも十分な第一歩になります。
② よく変更する部分から文書化する
すべてを一度に整理しようとすると、大きな負担になります。
そこでおすすめなのが、
「よく改修する機能」
から順番にまとめていく方法です。
変更するたびに情報を残していけば、少しずつ資産が増えていきます。
③ ベテラン社員の知識を残す
設計書がなくても、「担当者は知っている」というケースは少なくありません。
退職や異動の前に、
- インタビュー
- 打ち合わせ
- メモ
- 運用手順
などを記録しておくことも大切です。
④ AIを活用して整理する
最近では、生成AIを活用して、
- ソースコードの内容を説明する
- 処理の流れを整理する
- 設計書のたたき台を作る
といったことも可能になってきました。
もちろん、人による確認は必要不可欠ですが、「ゼロから作る」より効率よく整理を進められるケースも
あります。
⑤ 将来を見据えて少しずつ整備する
設計書は、一度作れば終わりではありません。
改修のたびに少しずつ更新していくことで、将来の保守やシステム更新がぐっと進めやすくなります。
大切なのは、「完璧を目指すこと」ではなく、「今より少し分かりやすくすること」です。
💡設計書がないからといって、すぐに作り直す必要はない
設計書がないと聞くと、「もう限界なのでは?」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、実際には設計書が十分でない状態でも、長年安定して稼働しているシステムは数多くあります。
重要なのは、
「今のシステムを正しく理解できる状態を少しずつ作ること」
です。
その積み重ねが、将来の改修やシステム更新、さらには業務改善にもつながっていきます。
✨まとめ
設計書がないことは、決して珍しいことではありません。
大切なのは、その事実を悲観することではなく、「これからどう整理していくか」を考えることです。
現状を把握し、必要な部分から文書化し、担当者の知識や生成AIも活用しながら情報を整理していく。
そうした積み重ねが、ブラックボックス化を防ぎ、システムという会社の大切な資産を未来へ引き継ぐことに
つながります。
設計書づくりは、過去を振り返るためだけのものではありません。
これから先の保守や改善を、安心して進めるための「未来への投資」としましょう。
