AI講習

AI講習の講師体験を振り返って

半年ほど前、AI活用講習の講師を担当する機会がありました。

当時も生成AIへの注目は高まっていましたが、現在と比較するとAIを取り巻く環境は大きく変化しています。ChatGPTをはじめ、GeminiやClaudeなどの生成AIは単なる「質問に答えるツール」から、「業務を支援し、時には実行するツール」へと進化しつつあります。

そんな中、改めて半年前に実施したAI講習を振り返ってみます。

受講者のレベル把握の難しさ

講習準備で最も悩んだのは、受講者の情報がほとんどなかったことです。

AIを利用した経験があるのか、どの程度理解しているのか、業務で活用しているのかも分からない状態でした。そのため、どのレベルで説明を行い、どのような実習課題を用意すればよいのか判断に苦労しました。

実際に講習を進めてみると、受講者はすでにメールなどの文書作成などで生成AIを利用していることが分かりました。全くの初心者を想定して実習課題を用意していたため、改めて事前ヒアリングの重要性を感じました。

実習課題作成に予想以上の時間

もう一つ苦労したのが実習課題の作成です。

生成AIは自由度が高い反面、「何を課題にすれば学びやすいか」を考える必要があります。

単純な質問をするだけでは学びになりにくく、かといって複雑すぎると手が止まってしまいます。

そのため、受講者が実際の業務で活用する場面を想定しながら課題を作成しました。

プロンプト作成が最大の壁だった

講習ではプロンプトの考え方や書き方についても説明しました。

しかし実際の実習では、

「何を書けばいいのか分からない」

という声が見られました。

講師としては、

  • 目的を書く
  • 条件を書く
  • 出力形式を書く

といったポイントを説明していたのですが、受講者からすると白紙の状態からプロンプトを作ること自体が大きなハードルだったようです。

今考えると、プロンプトの理論を説明するよりも、まずは多くのサンプルプロンプトに触れてもらう方が理解しやすかったと感じています。

サンプルプロンプトの重要性

特に反省しているのは、サンプルプロンプトの量です。

実習課題ごとに「こう書けばよい」という具体例をもっと用意すべきでした。

例えば、

「ブログ記事を書いてください」

ではなく、

「製造業向けにDX導入のメリットを500文字で説明してください」

といった完成形のサンプルを提示し、その後に条件を変更してもらう方が学習効果は高かったと思います。

受講者にとっては、一から考えるよりも、まず真似して使ってみる方が圧倒的に取り組みやすいからです。

半年で変わったAI活用

そして何より驚くのは、この半年でAIそのものが大きく進化したことです。

当時は「良いプロンプトを書くこと」が重要視されていました。

しかし現在では、ChatGPTやGemini、ClaudeなどのAIは推論能力が大幅に向上し、多少曖昧な指示でも意図を理解してくれるようになっています。

また、

  • Web検索
  • ファイル分析
  • データ分析
  • 画像生成
  • 資料作成

まで一つのAIで実行できるようになりました。

AIは「質問に答えるツール」から「業務を支援するツール」へと進化しています。

今後講習で取り入れたいこと

今後再びAI講習を担当する機会があれば、実習中心の構成にしたいと考えています。

具体的には、

  • サンプルプロンプトを多数用意する
  • まず真似して使う
  • 自社の商品やサービスに置き換える
  • 実際の業務に近い文章を作る
  • アイデア出しを体験する

という流れです。

AIは説明を聞くだけでは身につきません。

実際に触れて、「こんな使い方ができるのか」と体感することが重要だと感じています。

まとめ

講師として講習を行いましたが、振り返ると私自身もまだまだ学ぶべきことが多いと感じています。

特にプロンプトの工夫やAIへの指示方法については、日々新しい発見があります。

そして現在では、プロンプトだけでなく、AIエージェントやRAG(Retrieval-Augmented Generation)、業務システムとの連携など、学ぶべき領域はさらに広がっています。

「AIに興味はあるけれど何から始めればいいかわからない」といった不安もあると思います。

それは当然のことです。

新しい技術ですし、情報も多すぎます。

だからこそ私たちは、

  • 現在の業務内容
  • 抱えている課題
  • 改善したいポイント

をお聞きしながら、

本当に必要な活用方法を一緒に考えます。

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