プロンプトエンジニアリングをご存知ですか?
生成AIが広がり始めたころは、「どのように質問するか」「どのような指示を書くか」などプロンプトの書き方についての記事や本が注目を集めました。
もちろん、今でもAIへの指示の出し方は重要です。
しかし最近ではAIモデル自体の性能が上がり、細かく手順を指定しすぎなくても、目的を伝えればAIが自分で考えて整理したり提案したりできる場面が増えています。
AIを業務で活用するうえでは、「良いプロンプトを書く」だけでなく「AIにどう任せるか」を考えることが大切になってきています。
🔰プロンプトエンジニアリングとは
プロンプトエンジニアリングとは、生成AIに対して、どのように質問しどのような条件を伝えるかを工夫する考え方です。
たとえば、回答の形式を指定したり、対象読者を伝えたり、守ってほしい条件を加えたりすることで、AIから期待に近い回答を得やすくなります。
AIがまだ今ほど賢くなかった頃は、細かく指示を書かないとユーザーの意図からズレた回答をしたり、回答の形式が崩れたりすることも多くありました。
いわゆる「思ってたんと違う」という印象を抱いたユーザーも多かったのではないでしょうか?
そのため、プロンプトを工夫することは、AIを使いこなすための重要な技術として注目されてきました。
🤔プロンプトエンジニアリングは今も必要か?
最近のAIは、以前よりも文脈を読み取る力や、目的に合わせて状況・情報を整理する力が高くなっています。
そのため、「この順番で考えて」「この形式で出して」「この条件を必ず守って」と細かく指定しなくても、目的や背景を伝えるだけで、かなり自然に提案してくれることがあります。
もちろん、決まった形式で出してほしい場合や、厳密な条件がある場合は、今でも明確な指示が必要です。
具体的には領収書の写真を元に費目なども分類して精算システム入力用データに整える、などはきちんとフォーマットを指定する必要があります。
一方で、最初から細かく縛りすぎると、AIが別の視点から提案したり、よりよい整理方法を考えたりする余地を狭めてしまうこともあります。
たとえば、問い合わせ対応を考えてみます。
AIに対して、毎回次のように細かく指定することもできます。
「問い合わせ内容を3行で要約し、分類はA・B・Cのいずれかにし、返信文は300文字以内で、最後に定型文を入れてください」
このような指示は、形式をそろえたい場合には有効です。
しかし、問い合わせ内容によっては、先に過去の対応履歴を確認したほうがよい場合や、返信文を作る前に担当者へ確認したほうがよい場合もあります。
あまり細かく手順を固定しすぎると、AIが「この問い合わせは少し注意が必要です」「先に確認したほうがよさそうです」といった判断の補助をしにくくなることがあります。
📌「指示」より「任せ方」に焦点を
AIをうまく使うには、細かい命令文を作ることだけでなく、どこまでAIに任せるのかを考えましょう。
問い合わせ対応であれば、次のような任せ方が考えられます。
- 問い合わせ内容を要約する
- 内容を分類する
- 過去のFAQやマニュアルから関連情報を探す
- 返信文の下書きを作成する
- 確認が必要そうな内容を担当者に知らせる
AIにどう任せるのが良いか迷う時は、AIに聞きましょう!「何ができるか」、「どうするのが効率的か」などをAI自らに提案してもらいましょう。
ここで重要なのは、AIができるからといってすべてを任せるのではなく、依頼する作業を取捨選択し、クリティカルな部分は人間が担当することです。
AIが返信文を作成しても、最終的に送信する前には担当者が確認する。 AIが分類しても、重要な問い合わせは人間が判断する。
このように、AIが得意な作業と、人間が確認すべき作業を分けておくことで、業務に取り入れやすくなります。

🧩業務で使うなら枠組みの設定を
AIに自由に考えてもらうことは大切ですが、業務で使う場合は、何でも自由に任せればよいわけではありません。
使ってよい情報、参照する資料、出力形式、人が確認するタイミング、禁止事項、ログの残し方などを決めておく必要があります。
たとえば、問い合わせ対応にAIを使う場合でも、次のような設計が必要になります。
- AIが参照してよいFAQやマニュアルを決める
- 古い資料や誤った資料を参照しないようにする
- 顧客情報の扱い方を決める
- 返信文は必ず人が確認してから送信する
- AIが作成した内容や、人が修正した内容を記録する
つまり、AIを業務で安定して使うには、プロンプトだけでなく、周辺の仕組みも含めて考える必要があります。
🤝プロンプトから、AIへの任せ方へ
プロンプトエンジニアリングは、今でも有効な考え方です。
ただし、AIの性能が上がるにつれて、毎回細かく指示を書くことだけが重要なのではなくなってきています。
これからは、AIに目的を伝え、必要な情報を渡し、どこまで任せるかを決め、人間が確認する流れを作ることが重要になります。
AIを「命令通りに動かす道具」として使うだけでなく、「業務の一部を一緒に進める相手」として扱う場面が今後も増えていくでしょう。
☘️まとめ
生成AIの活用は、「うまく質問する」段階から、「うまく任せる」段階へ進みつつあります。
プロンプトエンジニアリングは今でも重要ですが、業務で使う場合は、プロンプトだけに頼るのではなく、目的、参照する情報、出力形式、人が確認するポイントを整理することが大事です。
細かく縛るべきところは縛り、AIに考えてもらうべきところは任せる。
そのバランスを考えることで、AIをより実用的に業務へ取り入れやすくなります。
弊社では、社内FAQ、問い合わせ対応支援、マニュアル検索、業務システムとのAI連携など、お客様の環境に合わせたAI活用をご提案しています。
AIを業務に取り入れてみたい、まずは小さく試してみたいという場合も、お気軽にご相談ください。
