最近では、クラウドサービスや管理画面などで、二段階認証・多要素認証を求められる場面が増えています。
毎回の確認が少し手間に感じることもありますが、パスワードの流出や使い回し、フィッシング、不正ログインへの対策として重要な仕組みです。
また、AIの進化により攻撃手法も高度化・自動化される時代になってきました。
そのため、IDとパスワードだけに頼るのではなく、複数の方法で本人確認を行うことが、以前よりも重要になっています。
パスワードだけでは守りきれない時代に
Webサービスや業務システムを利用するとき、多くの場合はIDとパスワードでログインします。
しかし、パスワードだけに頼った認証では、パスワードの流出や使い回し、不正ログインなどのリスクがあります。
たとえば、別のサービスで使っていたパスワードが流出し、同じパスワードを使っていた業務システムに不正ログインされる、といったケースも考えられます。
そのため、最近では二段階認証や多要素認証を利用するサービスが増えています。
二段階認証とは
二段階認証とは、ログイン時にパスワードだけでなく、もうひとつの確認手段を追加する仕組みです。
たとえば、IDとパスワードを入力したあとに、スマートフォンに届いた確認コードを入力する方法があります。
パスワードを知っているだけではログインできないため、不正ログインを防ぐための有効な対策になります。
多要素認証とは
多要素認証は、複数の異なる要素を組み合わせて本人確認を行う仕組みです。
認証に使われる要素には、主に次のようなものがあります。
- 知っているもの:パスワード、暗証番号
- 持っているもの:スマートフォン、認証アプリ、セキュリティキー
- 本人の特徴:指紋認証、顔認証
たとえば、パスワードに加えてスマートフォンの認証アプリを使う場合は、「知っているもの」と「持っているもの」を組み合わせた認証になります。
よく使われる認証方法
二段階認証や多要素認証には、さまざまな方法があります。
代表的なものとしては、次のようなものがあります。
- SMSで届く確認コード
- メールで届く確認コード
- 認証アプリに表示されるワンタイムパスワード
- スマートフォンへのプッシュ通知
- 指紋認証や顔認証
- パスキーやセキュリティキー
それぞれに特徴があり、使いやすさや安全性も異なります。
たとえば、SMSやメールの確認コードは導入しやすい一方で、フィッシングなどのリスクを完全に防げるものではありません。
一方で、パスキーやセキュリティキーのように、フィッシングに強い方式もあります。
利用するシステムや運用方法に合わせて、適切な認証方法を選ぶことが大切です。
管理画面の認証
二段階認証や多要素認証は、一般ユーザー向けのログインだけでなく、管理画面の保護にも重要です。
管理画面に不正ログインされると、顧客情報の閲覧、データの変更、サイト改ざん、メール送信、設定変更など、大きな被害につながる可能性があります。
特に、次のようなシステムでは導入を検討する価値があります。
- ECサイトの管理画面
- 会員サイト
- 予約システム
- 社内業務システム
- クラウドサービス
- VPNやリモートアクセス環境
パスワードだけでなく、追加の認証を組み合わせることで、万が一パスワードが漏えいした場合のリスクを減らすことができます。
導入時に気をつけたいこと
二段階認証や多要素認証はセキュリティ向上に役立ちますが、導入すれば終わりというものではありません。
利用者が多いシステムでは、使いやすさも重要です。
認証方法が複雑すぎると、運用の負担が増えたり、ログインできない問い合わせが増えたりすることがあります。
また、スマートフォンの機種変更や紛失時に備えて、復旧方法も考えておく必要があります。
導入時には、次のような点を確認しておくと安心です。
- どの利用者に必須とするか
- 管理者だけに適用するか、全ユーザーに適用するか
- スマートフォン紛失時の復旧方法
- 予備コードや代替手段の管理
- 利用者への案内方法
- ログイン履歴や不審なアクセスの確認方法
まとめ
二段階認証・多要素認証は、IDとパスワードだけに頼らず、ログインの安全性を高めるための仕組みです。
特に、管理画面やクラウドサービス、業務システムでは、不正ログイン対策として重要な役割を持ちます。
管理画面など重要な画面では、複数の認証を組み合わせることもあります。
たとえば、管理画面の入口にBasic認証を設定し、その後に通常のID・パスワードによるログインを行い、さらにメールで届く認証コードを入力する、といった構成です。
ただし、セキュリティを強くしすぎると、日々の運用が不便になってしまうこともあります。
そのため、毎回認証コードを求めるのではなく、一定時間は同じ端末からの再認証を省略するなど、使いやすさと安全性のバランスを考えることも大切です。
重要なのは、システムの内容や利用者、扱う情報の重要度に合わせて、適切な認証方式を選ぶことです。
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